糸リフトのやりすぎに注意!後悔しないための回数・頻度・リスクを医師が解説
2026/07/31
この記事では、糸リフトの「やりすぎ」がどういう状態を指すのか、やりすぎた場合に起こるリスクや副作用、適切な回数・頻度の考え方、やりすぎてしまったときの対処法まで、美容皮膚科の視点から詳しく解説します。初めて糸リフトを検討している方にも、すでに施術を受けたことがある方にも、ぜひ参考にしていただければと思います。
目次
糸リフトの「やりすぎ」とはどういう状態か
糸リフトは、皮膚の下に医療用の特殊な糸を挿入し、皮下組織を物理的に引き上げることでたるみを改善する施術です。フェイスラインや頬・口元・目元・ほうれい線など、加齢とともに気になりやすい部位へのリフトアップ効果が期待できることから、美容医療の中でも近年特に需要が高まっています。メスを使った切開が不要なため、フェイスリフト手術と比べてダウンタイムが短く、日常生活への影響が比較的少ない点も、多くの方に選ばれている理由のひとつです。
「やりすぎ」という状態は大きく分けて2つのパターンに分けられます。
「もっと引き上げたい」「もっと小顔になりたい」という気持ちは自然なことです。しかし、効果を追い求めるあまり、医師による適切な判断なしに施術を繰り返すことはかえって深刻なトラブルを招く原因になります。糸リフトは正しい知識と過度にならない計画のもとで行うことが、長期的に良い結果をもたらすための基本です。
やりすぎると起こるリスク・副作用
糸リフトをやりすぎた場合に起こりやすいリスクや副作用について詳しく説明します。これらはすべての方に必ず生じるわけではありませんが、施術を重ねるほど発生する可能性が高くなる傾向があります。施術を検討する際には、こうした注意点についてもあらかじめ把握しておくことが大切です。
不自然な引きつれ・凹凸・糸の透け
皮膚の下に過剰な本数の糸が入ると、引っ張る力が強くなりすぎて皮膚表面に凹凸や引きつれが生じることがあります。表情を動かしたときに違和感が出たり、笑ったときに不自然に見えたりするケースが報告されています。また、皮膚の厚みが薄い部位では糸が外側から透けて目立つ問題が生じることもあります。こうした状態は安静時には目立たなくても、表情の変化に伴い顕在化することがあります。
顔の変形・左右非対称・印象の変化
本数や挿入方向が適切でない場合、顔が左右非対称になったり、頬骨周辺や輪郭が不自然に変形して見えることがあります。引き上げすぎることで頬がこけたように見えたり、老けた印象になってしまうケースも少なくありません。特に頬・目元・口元周囲のバランスが崩れると、全体的な顔の印象に大きく影響します。「若返りたくて施術を受けたのに、かえって老けて見えるようになった」という声は、やりすぎによるトラブルの中でも多く聞かれます。
皮下組織・脂肪へのダメージの蓄積
施術を頻繁に繰り返すことで、皮下の脂肪や組織が傷ついて硬くなったり、慢性的な炎症が続いたりする可能性があります。糸が挿入される部位の組織が変質すると、次回以降の施術の効果が出にくくなるだけでなく、状態によっては修正が難しくなることもあります。組織へのダメージは表面に出ないまま内部で進行していることもあるため、自覚症状がないからといって問題がないとは言い切れません。
ダウンタイムの長期化・副作用の増大
感染・糸の浮き出しなどの重篤なトラブル
極端に多くの糸を使用した場合や、適切な技術・衛生管理のもとで施術が行われなかった場合には、感染を起こしたり、糸が皮膚から浮き出てきたりするリスクがあります。こうした問題が起きた場合は、糸の抜去や処置が必要になることもあり、早急に医療機関を受診することが重要です。
糸の種類と体内での働きを理解する
糸リフトで使用される医療用の糸には、主にPDO(ポリジオキサノン)・PCL(ポリカプロラクトン)・PLLA(ポリ乳酸)などの種類があります。いずれも体内で時間をかけて分解・吸収される素材で、異物として長期間残り続けるものではありません。ただし、溶けるまでの期間や体内での作用には種類によって差があります。
PDOは比較的早く溶ける素材で、体内での持続期間は約6ヶ月〜1年程度が目安とされています。PCLやPLLAはより長期間体内に残り、1年半〜2年程度かけて吸収されるとされています。糸が溶ける過程でコラーゲンや線維の生成を刺激・促進する効果が期待できるため、リフトアップ効果に加えて肌のハリや弾力の改善につながる可能性があるとされています。美肌効果という観点からも注目されている点のひとつです。
また、糸にはコグ(棘)と呼ばれる突起が付いているものと、突起のないスムース糸があります。コグ付きの糸は組織をしっかり引き上げる力が強い一方、適切な本数・挿入位置の見極めが特に重要です。糸の種類・素材・形状の選択は、施術を受ける方の顔の状態や希望する仕上がりをもとに医師が総合的に考慮して判断するものです。
糸リフトが「やりすぎ」になりやすい背景のひとつには、「体内で溶けるなら何本入れても安全」という誤った認識があります。溶ける素材であることは安全性の根拠になりますが、組織への物理的な負荷は本数が増えるほど大きくなります。糸が完全に溶けるまでの期間中、皮下組織に対して持続的な力が加わり続けているという点を忘れないことが大切です。
適切な施術回数と頻度の目安
「何回受ければよいのか」「どのくらいの頻度が適切なのか」は多くの方が気になるポイントです。ただし、適切な回数や頻度は使用する糸の種類・1回あたりの本数・個人の皮膚や組織の状態によって異なるため、一概に「○回が正解」と断言できるものではありません。
一般的な目安として、糸リフトの効果の持続期間は使用する糸の種類によって異なりますが、多くの場合1年〜1年半程度とされており、素材によっては2年近く持続するケースもあります。そのため施術を繰り返す場合は、前回の糸がある程度体内で吸収・代謝された段階で次の施術を検討することが基本的な考え方となります。
半年ごとに施術を重ねたいという方もいますが、前回の糸がまだ残っている状態で再び挿入することは組織への負担が重複することになります。効果が薄れてきたと感じたとしても、すぐに施術を重ねることが最善とは限りません。現時点での状態を医師が直接診察したうえで、待つべきか・進めてよいかを判断してもらうことが重要です。
また、年齢を重ねるごとに皮膚の質・顔の脂肪のボリューム・骨格の変化が生じていきます。50代以降になると、たるみの原因や状態が変化してくることも多く、若い頃と同様のアプローチが適しているとは限りません。年齢や状態の変化に合わせて、施術のメニューや頻度を見直していく柔軟性が大切です。
本数の選び方と「入れすぎ」の判断基準
糸リフトの本数は、顔のたるみの程度・皮下脂肪の量・皮膚の厚さ・希望する仕上がりなどをもとに医師が総合的に判断するものです。一般的には片側4〜8本程度が目安として挙げられることが多いですが、これはあくまで参考値であり、個人差が大きい部分です。
「本数が多いほど効果が高い」と考える方もいますが、必ずしもそうではありません。組織に対して必要以上の力を加えても効果の上乗せにはなりにくく、むしろ自然な仕上がりを損ったりダウンタイムが長くなるリスクがあります。適した本数を見極め、適切な層・位置に正確に挿入することが、安全で自然な結果につながります。
なお、施術前のカウンセリングで希望を伝える際には、「何本入れてほしい」と本数を自分で決めるのではなく、理想とする仕上がりのイメージや悩みを具体的に伝え、本数・種類・配置の判断は医師に委ねることが適切です。写真などを参考に見せながら希望のイメージを共有することも、医師とのコミュニケーションをスムーズにするうえで有効です。
やりすぎてしまった・後悔しているときの対処法
「すでにやりすぎてしまったかもしれない」「後悔している」という場合にまず大切なのは、自己判断で別の施術を追加したり、自分でケアを試みたりするのではなく、速やかに医師に相談することです。
糸リフトの修正はケースによって対応方法が異なります。使用した糸の種類や挿入からの期間・状態によっては、糸を抜去する・位置を調整するといった対処が可能な場合もあります。一方、時間が経過して組織への癒着が進んでいる場合など、取り除くことが難しいケースも存在します。早期に専門医に相談するほど選択肢が広がる可能性があるため、気になる症状が続く場合は時間を置かずに受診することをおすすめします。
施術を受けたクリニックに相談しにくい場合や、セカンドオピニオンを求めたい場合は、糸リフトの修正・トラブル対応の実績がある美容皮膚科・形成外科・美容外科で診察を受けることも一つの方法です。自分の状態について正確な情報を伝えるためにも、施術を受けた際の記録(施術内容・使用した糸の種類・本数等)があれば持参すると診察がスムーズに進みます。
繰り返し受けることで得られる効果と限界
糸リフトは一度受けたら終わりではなく、効果が薄れてきた段階で繰り返し受けることを想定した施術です。適切な間隔と本数のもとで継続的に施術を受けることで、たるみのない状態を長期的に維持できる可能性があります。また、糸が体内で溶ける過程でコラーゲンの生成・再生が促進されることで、肌のハリや弾力が徐々に改善されるという付加的な効果も期待されています。こうした効果は施術直後よりも、数週間〜数ヶ月かけて実感できるようになることが多いです。
ただし、糸リフトにはできることの限界もあります。重度のたるみや皮膚の弛緩が大きい場合には、糸リフトだけでは十分な改善が見込めないこともあります。そのような場合には、切開を伴うフェイスリフト手術を含めた他の治療法も含めて、医師と相談しながら最善のアプローチを探ることが重要です。
他の施術との併用について
糸リフトは単独で行われることも多いですが、他の美容治療と組み合わせることでより高い効果が期待できるケースもあります。代表的な併用例を紹介します。
ヒアルロン酸注射との併用
糸リフトが皮膚を引き上げる「物理的なリフトアップ」に対して、ヒアルロン酸注射はボリュームを補うアプローチです。加齢によって脂肪が減少してこけてしまった頬や目の下・こめかみなどにヒアルロン酸を注入することで、立体感のある自然な若返り効果が期待できます。特に頬骨下のこけた印象が気になる方には、糸リフトとの相性が良い組み合わせとして挙げられることが多いです。
ボトックスとの併用
ボトックスは筋肉の動きを抑制することで表情じわやシワを改善する施術です。糸リフトでたるみを引き上げながら、ボトックスで動的なシワにアプローチすることで、より総合的な印象改善が期待できます。目元や口元など、表情の動きが大きい部位のシワ対策として有効です。
ハイフ(HIFU)との併用
ハイフは超音波エネルギーを皮膚の深層に届けることで、筋膜層(SMAS層)へのアプローチとコラーゲン生成促進が期待できる施術です。糸リフトとは異なる層・仕組みで作用するため、組み合わせることで相乗効果が期待できるとされています。ただし施術の順序やインターバルについては医師の判断に従うことが重要です。
複数の施術を組み合わせる際は、それぞれの特性・ダウンタイム・禁忌事項を十分に理解したうえで、医師と相談しながら計画的に進めることが重要です。短期間に複数の施術を重ねることはかえってリスクになる可能性があるため、慎重な判断が求められます。
後悔しないクリニック選びのポイント
糸リフトで後悔しないためには、施術を受けるクリニック選びが非常に重要です。費用や立地だけを根拠に選ぶのではなく、以下のポイントを参考にしてみてください。
医師の技術・経験・専門性
糸リフトは医師の技術力と経験が仕上がりに大きく影響する施術です。担当する医師が美容外科・美容皮膚科・形成外科などの専門的な知識と経験を持っているか、日本美容外科学会等の学会への所属や認定資格の有無なども判断材料になります。初回のカウンセリングで、自分の顔の状態に合った本数・糸の種類・リスク・注意点について丁寧に説明してもらえるかを確認してください。「何本でも入れられます」と安易に本数を増やすことを勧めてくるクリニックよりも、必要な本数と理由を正直に提案してくれるクリニックを選ぶことが大切です。
丁寧なカウンセリングと十分な情報提供
修正・アフターケア体制
万が一トラブルが起きたときに、きちんと対応してもらえるかどうかも重要な判断基準です。施術後のアフターケアや修正に関する方針、術後のフォローアップ体制について事前に確認しておきましょう。土日も診療を行っているかどうかも、働きながら通院する方にとっては実際的な確認ポイントのひとつです。
費用・料金の透明性
糸リフトの費用はクリニックや使用する糸の種類・本数によって大きく異なります。カウンセリング時に提示された料金と、実際の施術時の料金に差が出ないかどうかも確認しておくことをおすすめします。価格だけを優先して選ぶことは必ずしも良い結果につながらないことも念頭に置き、総合的に判断するようにしましょう。
まとめ
糸リフトのやりすぎは、引きつれ・顔の変形・皮下組織へのダメージの蓄積など、さまざまなリスクにつながる可能性があります。効果を求めるあまり短い期間で施術を繰り返したり、必要以上の本数を入れたりすることは、かえって後悔につながりやすくなります。使用する糸の種類(PDO・PCL・PLLAなど)の特性をきちんと理解し、自分の顔の状態に合った本数・頻度で、信頼できる医師のもとで計画的に施術を受けることが、長く自然な仕上がりを保つための基本です。
「やりすぎてしまったかもしれない」「このまま続けていいのか不安」「初めて糸リフトを検討しているが、どのクリニックに相談すればよいかわからない」という方は、ぜひ一度専門医にご相談ください。正しい知識をもとに、自分自身の状態に合った最適なアプローチを見つけることが、納得のいく結果への近道です。
ベリススキンクリニックは千葉県柏市(JR柏駅直結)にあり、糸リフトのカウンセリングから施術・アフターケアまで一貫してご対応しています。柏市をはじめ、野田市・流山市・松戸市・鎌ヶ谷市・船橋市・八千代市・印西市など近隣エリアからも多くの患者さまにご来院いただいています。皮膚の状態を丁寧に診察し、一人ひとりの状態と目的に合わせた治療プランをご提案します。どうぞお気軽にご相談ください。


