糸リフト後のひきつれはいつまで続く?原因・経過・改善方法を医師が解説
2026/09/10
目次
糸リフト後にひきつれが起こる原因とメカニズム
糸リフトは、皮膚の下に医療用の特殊な糸(スレッドとも呼ばれます)を針で挿入し、コグ(棘)で皮下組織を引っかけて引き上げることでたるみを改善する施術です。頬・フェイスライン・口元・口角・顎のラインの引き上げや、しわの改善・小顔・輪郭の整え・若返り効果を目的として行われます。メスを使った切開を必要とせず、フェイスリフト手術と比べて体への負担が少ない点が特徴の施術のひとつです。ひきつれが生じる主な理由は、挿入した糸が皮下の適切な層に固定されることで、その周囲の皮膚や組織に物理的な引っ張り力が加わり続けることにあります。コグ付きの糸は組織に棘が食い込んで固定されるため、とくに施術直後から数週間は糸と組織の境界部分で緊張が生じやすくなります。
また、施術による皮下組織へのダメージが炎症反応を引き起こし、組織が修復される過程でコラーゲン線維が再生・再構築されます。この修復過程では組織が一時的に硬くなったり収縮したりするため、皮膚表面のつっぱり感・ひきつれ感・厚みのある硬さとして感じられることがあります。肌のハリが高まる過程でも、施術直後は一時的なひきつれとして感じやすくなります。
さらに、挿入された糸の本数が多いほど・コグの密度が高い糸を使用するほど引き上げ力が強くなるため、ひきつれの感覚が出やすくなる傾向があります。糸の体内での位置・深さ・量・方向によっても、ひきつれの出方には個人差による違いが生じます。
一方、体内で溶ける素材(PDO・PCL・PLLAなど)を使用した糸は、時間の経過とともに徐々に分解・吸収されていきます。糸が溶けていくにつれて組織への引き上げ力が緩和されるため、ひきつれ感も徐々に改善していくことが多いです。素材によって吸収される期間にも差があり、PDOは約6ヶ月〜1年、PCLやPLLAはそれ以上かかることが一般的とされています。糸が体内に馴染むまでの過程でひきつれを感じやすい時期があることは、施術前から把握しておくと安心です。
なお、ひきつれは糸リフトに限らず、皮下に何らかの処置が加わった後に起こりやすい反応のひとつです。フェイスリフト(切開リフト)などの手術後でも同様の現象が起こることがあり、組織の修復過程における自然な反応として医学的に理解されています。傷跡周囲のつれ感と同じようなメカニズムです。
ひきつれの経過といつまで続くか
糸リフト後のひきつれがいつまで続くかは、使用する糸の種類・本数・施術部位・個人差によって異なります。一般的な経過の目安を以下に整理します。
施術当日〜1週間
1週間〜1ヶ月
腫れが落ち着いてくるにつれて、ひきつれ感も徐々に緩和されてくることが多いです。ただし動作時の違和感や皮膚の下の硬い感触は1ヶ月程度続く場合があります。安静時は気にならないが特定の表情や動作をしたときにつっぱりを感じるという状態が続くのは、この時期としては一般的な経過です。
1ヶ月〜3ヶ月
多くの方でひきつれ感が大幅に軽減される時期です。挿入された糸が組織に馴染んでいき、炎症が落ち着いてくることでひきつれも解消されていくことが多いです。PDO素材の場合はこの時期から糸の分解が進み始めるため、ひきつれ感がより緩和されやすくなります。頬やフェイスラインの引き上がり・若返り効果も実感しやすくなる時期でもあります。
3ヶ月以降
3ヶ月を過ぎると多くの方でひきつれ感はほとんど気にならなくなります。糸の吸収が進むにつれて引き上げ力が緩和され、皮下組織が新しい状態に安定していきます。最終的な仕上がりと効果を評価するタイミングでもあります。コラーゲン生成の効果により肌のハリも高まり、長くリフトアップ効果が持続するケースもあります。
ただし3ヶ月を過ぎてもひきつれや違和感が続く場合や悪化しているように感じる場合は、自己判断で様子を見るのではなく医師に相談することをおすすめします。
ひきつれの症状の種類と特徴
糸リフト後のひきつれには、出方や感じ方にいくつかのパターンがあります。自分の症状がどのタイプに近いかを把握しておくことで、適切な対応につなげやすくなります。
動作時のつっぱり感
最も多く見られる症状で、口を開けたとき・食事をするとき・笑ったとき・顔を横や上に向けたときなどに引っ張られる感覚がするというものです。安静時は気にならないが特定の動作時に感じるというケースが多く、施術後1〜2週間はとくに感じやすく、時間の経過とともに改善していくことが多いです。頬・口角・顎のライン・耳周辺のあたりに感じやすい傾向があります。
皮膚表面のつれ感・凹凸・ボコボコ感
皮膚の下の硬い感触・しこり感
糸の挿入部位に沿って皮膚の下が硬く感じられる場合があります。組織の修復過程でコラーゲン線維が集まることで一時的に硬くなる現象で、多くの場合は数ヶ月かけて徐々に薄く・柔らかくなっていきます。触れると硬い線状の感触がある、という症状も同様のメカニズムで起こることが多いです。
神経への一時的な影響による感覚の変化
糸が挿入された周囲の神経が一時的に刺激を受けることで、ひりひり感・しびれ感・感覚の鈍さなどが現れることがあります。多くの場合は一時的なもので時間の経過とともに改善します。ただし重い神経症状が長く続く場合は医師に相談することが重要です。
痛みを伴うひきつれ
ひきつれと同時に痛みがある場合も、施術後1〜2週間程度は一般的な範囲内のことが多いです。ただし痛みが1週間以上続く・突然強くなる・熱感や腫れを伴うという場合は通常のダウンタイムを超えているサインの可能性があるため、医師への相談が必要です
注意が必要なひきつれのサイン
ひきつれのほとんどは正常なダウンタイムの範囲内ですが、以下のような場合は早めに医師に相談することをおすすめします。
3ヶ月以上改善しない・悪化している
表情が不自然・左右非対称になってきた
強い痛み・赤み・熱感・発熱・化膿のような分泌物などが伴う場合は感染症や炎症の悪化が疑われます。こうした症状が出た場合は早急に医療機関を受診してください。
強い痛み・熱感・発熱が続く
強い痛み・赤み・熱感・発熱・化膿のような分泌物などが伴う場合は感染症や炎症の悪化が疑われます。こうした症状が出た場合は早急に医療機関を受診してください。
皮膚表面に糸が透けて見える・浮き出てきた
皮膚が薄い部位で糸が透けて見えるようになった場合や皮膚の表面近くに糸が浮き出てきた場合は糸の位置が適切でない可能性があります。放置すると皮膚へのダメージが進行することがあるため早急に医師に相談することが重要です
ひきつれを悪化させないための過ごし方
糸リフト後のひきつれを必要以上に悪化させないために、日常生活で意識したいポイントを紹介します
患部をマッサージしない・強く触らない
ひきつれが気になって患部をマッサージしたり引っ張ったりしたくなることがありますが、これは逆効果になる可能性があります。マッサージによって糸の位置がずれたり炎症が悪化したりするリスクがあります。施術後しばらくはフェイシャルマッサージ・強い洗顔・エステなどは医師の許可が出るまで控えてください。
大きく口を開ける動作を控える(口元施術後)
激しい運動・血行促進行為を避ける
激しい運動・サウナ・長時間の入浴・大量のアルコール摂取など血行を大きく促進させる行為は施術部位の炎症を長引かせる可能性があります。ひきつれが強い時期はこれらを控えることをおすすめします。
紫外線対策・スキンケアに気をつける
施術後の炎症が続いている時期に強い紫外線を浴びることは炎症を悪化させる可能性があります。外出時は帽子や日傘などで対策を行い、患部へのメイクや日焼け止めの使用は医師の許可が出てから行ってください。
施術当日・術後の安静を守る
施術当日は特に安静が重要です。過度な活動や顔への刺激は翌日以降のひきつれや腫れを強める可能性があります。術後の案内・注意事項を事前にしっかり確認し、指示を守ることがひきつれを最小限に抑える基本となります。
改善を早めるためのケアと対処法
ひきつれを完全にコントロールすることはできませんが、適切なケアによって改善を助けられる可能性があります。
経過を自然に待つことが基本
糸リフト後のひきつれは多くの場合、時間の経過とともに自然に改善していきます。最も重要な対処法は「経過を見守ること」であり、焦って何かしようとすることが逆効果になるケースが少なくありません。医師から指示があった場合を除き、患部に対する積極的なケアは控えることが基本です。
処方薬・内服薬の適切な使用
冷やす・温めるタイミング
施術後早期は冷やすことで炎症とひきつれを抑える効果が期待できます。施術から期間が経った後は温めることで血行が改善されて組織の修復が促進される場合もありますが、炎症がまだ続いている場合は逆効果になることもあります。温熱ケアの開始タイミングについては必ず医師に確認してから行うようにしてください。
定期的な経過確認と相談
施術後は定期的に医師の診察を受けて経過を確認してもらうことが大切です。ひきつれの状態が適切な改善過程にあるかどうかを確認してもらうことで、問題が起きている場合に早期対処できます。疑問や不安は担当ドクターに遠慮なく相談することをおすすめします。
ひきつれが長引く・改善しないときの対応
3ヶ月以上経過してもひきつれが改善しない場合や強い症状が続く場合の対応について解説します。
まず施術を受けたクリニックに相談する
ひきつれが長引いている場合はまず施術を受けたクリニックに相談することが基本です。直接診察してもらい原因と対処法を提案してもらうことが重要です。院長・担当医の実績・経験が豊富なクリニックであるかどうかも、アフターケアの質に影響します。
糸の調整・修正が必要な場合
他施術との組み合わせが有効な場合も
ひきつれによって生じた皮膚の凹凸やボリューム不足が目立つ場合にはヒアルロン酸注入やボトックス注射などを合わせて用いることで改善が期待できるケースがあります。どのような治療の組み合わせが自分の状態・希望に合っているかは、医師との相談のもとで選択してください。
セカンドオピニオンも選択肢のひとつ
施術を受けたクリニックに相談しにくい場合や別の専門医の意見を聞きたい場合は他の美容皮膚科・形成外科・美容外科でセカンドオピニオンを求めることも選択肢のひとつです。日本美容外科学会等の学会認定医・専門資格を持つ医師に相談することで、より専門的な意見を得ることができます。
ひきつれを予防するためのクリニック選びの重要性
糸リフト後のひきつれは完全に避けることは難しいですが、技術力・経験のある医師による適切な施術によってその程度を最小限に抑えることが可能です。施術前のカウンセリングでひきつれが出る可能性と改善の経過について丁寧な説明を受けられるかどうかもクリニック選びの重要なポイントです。症例写真や術後の経過・実績を確認できるかどうかも事前に確認しておくことをおすすめします。
よくある質問
Q:ひきつれはいつまでに改善しますか?
A:一般的には1〜3ヶ月程度で大幅に改善することが多いです。ただし個人差があり糸の本数・種類・部位によっても異なります。3ヶ月以上改善の兆しがない場合は医師に相談することをおすすめします。
Q:ひきつれている間もリフトアップ効果は出ていますか?
A:糸はすでに組織に挿入されてリフトアップの力を発揮していますが、ひきつれや腫れがある間は最終的な仕上がりが確認しにくい状態です。1〜3ヶ月後に改めて効果を評価することをおすすめします。
Q:ひきつれを自分でほぐすことはできますか?
A:基本的には患部をマッサージしたりほぐそうとしたりすることはおすすめしません。糸の位置がずれるリスクがあります。気になる場合は自己判断せず医師に相談してください。
Q:ひきつれがひどい場合、施術を受けたクリニックに相談しても良いですか?
A:もちろんです。ひきつれの状態が気になる場合はいつでも担当医に相談してください。施術後のアフターケアに対応しているクリニックを選ぶことが術後も安心して過ごすためのポイントです。
まとめ
糸リフト後のひきつれは、皮下組織に糸を挿入して引き上げるという施術の性質上、ダウンタイムの一部として起こりやすい症状のひとつです。多くの場合は1〜3ヶ月程度の経過で自然に改善していきますが、本数が多い・コグの密度が高い糸を用いた場合などはそれ以上かかるケースもあります。それぞれの素材・施術内容によって経過には個人差があることも知っておくことが大切です。
基本的な対処はひきつれが自然に落ち着くのを待つことですが、患部をむやみにマッサージしない・大きく口を開ける動作を控える・血行促進行為を避けるなど日常生活での注意点を守ることも重要です。3ヶ月以上改善しない・悪化している・痛みや発熱を伴うという場合は通常のダウンタイムの範囲を超えているサインの可能性があるため、早めに医師に相談してください。
「糸リフトを検討しているがひきつれが心配」「現在ひきつれが続いていてどう対応すればよいかわからない」という方は、ぜひ専門医にご相談ください。無料カウンセリングも実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
ベリススキンクリニックは千葉県柏市(JR柏駅直結・ビル内)にあり、糸リフトのカウンセリングから施術、アフターケアまで一貫して対応しています。ひきつれをはじめとする術後の気になる症状についても、診療時間内であればいつでもご相談いただける体制を整えています。糸リフトのほか、ヒアルロン酸・ボトックス・シミ・毛穴・ニキビ・脱毛・ほくろ等の治療メニューも取り揃えており、お悩みに合わせて総合的なご案内が可能です。柏市をはじめ、野田市・流山市・松戸市・鎌ヶ谷市・船橋市・八千代市・印西市など近隣エリアからも多くの患者さまにご来院いただいています。どうぞお気軽にお問い合わせください。
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